教え子柴田の金に指導の教授も涙/競泳
柴田亜衣(22=鹿屋体大)が20日、女子800メートル自由形で大逆転の金メダルを獲得した。柴田を指導する鹿屋体大の田中孝夫教授(56)は、目をうっすらと赤くしながら「人間落ち込まずにやっていれば、いいことがあるということです」と、かみしめるように話した。
田中教授自身も五輪を目指した水泳選手だったが、選手としては夢を達成できず、指導者としての道を選ぶ。84ロサンゼルス五輪では3人の代表を送り出した。しかし、その中の1人の大麻所持で日本水泳界を大きく揺るがす事件に発展。手塩にかけた選手の裏切りに、傷心の日々を過ごした。88年にはメダルが期待された高橋清美選手をソウル五輪に送り出したが6位どまり。自らの環境を変えてもう一度出直そうと翌年、誘いのあった鹿屋体大へと移った。
「とにかく努力家。だから長距離がつとまる。いつかきっと大成する」という柴田と出会って、田中教授の指導にも一層熱がこもった。「長距離は人生そのもの。どこかで手を抜けば結果にすぐ表れる」と何度も口にした。
柴田の決勝レースの前に、観客席裏でたばこを吸い「勝利ののろしを上げてから観戦に向かった」と言う田中教授。初めて選手を五輪に送り出してからちょうど20年、シンデレラガールが自身の果たせなかった夢を現実にしてくれた。
[2004/8/21/12:18]
写真=女子800メートル自由形で優勝し、表彰台に上った柴田に声援を送る父条二さんと母順子さん(共同)
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