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室伏「金」なき帰国、届くのは日本到着後
ドーピング(薬物使用)違反による繰り上がりで金メダルが確定したアテネ五輪陸上ハンマー投げの室伏広治(29=ミズノ)が30日、銀メダルを国際オリンピック委員会(IOC)に返還して、日本選手団本隊とアテネから帰国の途についた。日本オリンピック委員会(JOC)はIOCにメダルの受け渡し方法を問い合わせているが、出発前には受け取れないまま搭乗した。9月5日のハンガリーGP出場は取りやめ、当面は国内で祝勝会などの行事に追われる。帰国初戦はスーパー陸上が予定されている。
ハンマー投げで優勝したアヌシュのドーピング問題が一応の見通しが立つまでアテネに留まっていた室伏は、晴れて金メダルが確定して日本選手団本隊と機上の人になった。29日夜にIOCの正式発表で、ドーピング検査を拒否したアヌシュの金メダルはく奪と、ハンガリーオリンピック委員会からIOCへ金メダルの返還が決定した。確定からギリシャ出国まで丸1日の猶予もなかった室伏は、金メダルを受け取れないままアテネ空港へと向かった。銀メダルはIOCに返還した。「日本に帰れば実感がわいてくると思う。銀メダルは返却した。金メダルについては聞いていない」と話した。
決定直後に開かれた会見では繰り上がりを素直に喜んだ。「金メダルという形で残すことができて、本当にうれしく思う」。表情にはやや硬さも見られたが、真の優勝者としての自負が表れていた。メダルの裏に記された古代ギリシャ語の翻訳を自筆で記した紙を記者に配り、「真実」の2文字にこだわった。「真実の中で試合が行われることが、どれだけ大切かを認識した」。ドーピング違反を犯してフィールドに立ったアヌシュは、その時点で競技に参加する資格はなかった。だれが最も遠くに投げたかという事実ではなく、だれがルール内で最も努力し、強かったかが一番大事なことだった。投てき種目で違反が続出した今大会については「非常に寂しい気がします」と残念がった。
会見後は閉会式に参加。気の合う柔道の井上と談笑して疲労をいやした。「初めての閉会式でいい思い出ができた。気持ちの整理がついてから出られて良かった」と笑顔を見せた。
9月5日のハンガリーGPに出場する予定はキャンセル。22日の競技終了後は十分な練習はできずに調整が間に合わないことに加え、アヌシュのハンガリーが開催国では予測不可能な事態が考えられる。当面は祝勝会などの行事に追われ、9月23日のスーパー陸上が帰国初戦になる。【岡山俊明】
[2004/8/31/09:06 紙面から]
写真=アテネ五輪閉会式で室伏(左手前)は記念撮影を頼まれる。後方は選手とハイタッチする井上(撮影・鹿野芳博)
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