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室伏、遥かなる28センチ/陸上

<アテネ五輪:陸上>◇22日◇男子ハンマー投げ決勝

 あと28センチだった。男子ハンマー投げの「鉄人」室伏広治(29=ミズノ)が、五輪では初の銀メダルを獲得した。優勝争いが宿敵アドリアン・アヌシュ(ハンガリー)と2人だけに絞られた最終6投目、こん身の1投は今季自己ベストの82メートル91の大放物線を描いた。わずかの差で金メダルを逃したが、9位に終わった前回シドニー大会の借りを返すとともに、日本投てき種目史上初の五輪メダリスト誕生となった。五輪初出場の妹・由佳(27=ミズノ)は予選で敗退した。

 ひざから崩れ落ちた。フィールドに両手をつけ、頭を垂れた。最終6投目。回転速度が明らかに速かった。「ウォッップ!」。絶叫も飛び出した。今持てる力を結集した1投。ハンマーは聖火台に向かい、この日一番の放物線を描き、80メートルラインをはるか超えた。逆転か−。7万人の観衆が息をのむ。しかし、室伏が崩れるのと同時に、宿敵アヌシュが勝利の雄たけびを上げた。勝敗を分けたのは、たったの28センチだった。

 「他人の成績はまったく知りませんでした。自分の投てきに集中していましたから」。試合後の室伏はそう話したが、明らかにウソだった。先に83メートル台を出され、必死に逆転を狙った。5投目、室伏は珍しく力み、手前のネットにハンマーをぶつけた。その後、フィールドに大の字になり、夜空を見上げた。「落ち着こう。頭を真っ白にしよう」。今季自己ベストはその直後だった。

 もちろん、このレベルで満足する男ではない。「あと1歩で金。そりゃあ、金の方がいいですよ」。父重信氏も「素直に喜べないのは(優勝する)力があるという証拠でしょう」。それでも五輪では初の銀メダル。日本の投てき種目では初の快挙。そもそもパワーを必要とする競技に日本人が戦えること自体、以前は考えられなかった。足りないのはタイトルだけ。「室伏の時代」は近づいている。

 父はアジアの鉄人、母はルーマニアの元やり投げ選手(離婚)。生後4カ月で腹筋、1歳で懸垂をしたサラブレッドには父以上に影響を与えた人物もいる。成田高時代の恩師で下宿していた故滝田詔生氏は、もう1人の父親だ。98年に亡くなる直前、室伏に「お前の時代が来る」と予言した。高校時代、国内で活躍しても「母親が外国人だから」と陰口をたたかれた。「ならば世界を目指せばいい」と叱咤された。目線が変わったのは、そのころからだ。

 昨年、84メートル86の世界歴代3位の記録をマークしても、挑戦をやめなかった。今季は米国に拠点を置き、新たな視点でハンマー投げに取り組む。例えば1、2、3のリズムが12、3となるような微妙な調整。だが、成果を求めるにはまだ早かった。室伏は「まだ2〜3年は記録が伸びる実感がある」と言う。わずかの差で金メダルは逃したが、日本投てき種目の歴史は動き始めた。【牧野真治】

[2004/8/24/09:52 紙面から]



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