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中西銅、164センチが泣いた/競泳
<競泳:女子200メートルバタフライ決勝>◇18日
中西悠子(23=枚方SS)が、銅メダルを獲得した。準決勝を2位通過した中西は、決勝でも積極的なレースを展開。日本女子競泳陣では今大会初のメダルをつかんだ。決勝に残った8人で最も小さい身長164センチの努力家が、銅メダルだった昨年世界選手権に続いて表彰台に立った。
我慢だ。我慢だ。ここで耐えればメダルが取れる。ラスト50メートル。中西は懸命に両手と両足を交互に水面をたたいた。「(山本の銀)メダルはすごい。燃え上がった。『明日はやるぞ』の気持ちになった」。強気な姿勢は緊張感を解き放つ。あふれる気迫で今大会日本女子初のメダルを獲得した。
昨年の反省を生かした。世界選手権で銅メダルを獲得したものの、ラスト50メートルは完全に失速。ギリギリのメダルだった。帰国後は喜びを忘れて、すぐにラストの持久力強化に励んだ。週3回の筋力トレに、毎日朝晩、懸垂など補強トレを行った。二の腕は2センチ太くなって周囲30センチ。高校陸上部監督の父昭さん(57)の腕より太くなった。「うれしいやら、悲しいやら」と話したが、メダルを取るためには「女を捨てる」覚悟だった。その成果は出た。
164センチの小柄な体が五輪表彰台に立った。世界のライバルは女性でも180センチ近くあるのが当たり前。「普通に練習しても勝てない」と太田伸コーチ。1日1万6000メートル泳いだ。小柄な体はすぐに悲鳴を上げた。4月の日本選手権前には過呼吸で倒れた。高熱も出した。それでも、メダルのためにあきらめなかった。
昨年6月に祖母喜与子さん(享年77)が、世界選手権後の10月にはメダルを喜んでくれた祖父正さん(享年82)が相次いで亡くなった。子供のころから大阪の自宅でずっと一緒に暮らしてきた。祖父からは「アテネに行く」と約束されていた。今回のメダルは、天国にいるおじいちゃん、おばあちゃんにも届いたに違いない。
[2004/8/19/09:13 紙面から]
写真=女子200メートルバタフライ決勝で銅メダルを獲得し、感極まって泣き出す中西悠子(撮影・野上伸悟)
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