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谷本が金、女三四郎だ!/女子柔道
<柔道>◇17日◇女子63キロ級
女三四郎が秒殺ラッシュで女子柔道史上3人目の金メダリストに輝いた。63キロ級の谷本歩実(23=コマツ)が5試合オール1本勝ちで頂点に立った。指導を受けるバルセロナ五輪男子71キロ級金メダルの「平成の三四郎」古賀稔彦コーチ(36)直伝の一本背負いで決勝を制した。男顔負けの技の切れ味で1試合平均61秒の早業だった。日本の今大会の金メダルは計6個となり、大会5日目で前回シドニー大会の5個を上回った。
代表3年間で培った古賀直伝の一本背負いを、世界最高の舞台で繰り出した。谷本は決勝で激突したオーストリアのハイルを、左一本背負いで畳に転がした。技あり。そのまま横四方で抑え込んだ。主審の「1本!」コールに立ち上がると、両手を天井に突き上げてパチンとたたいた。セコンドで声をからした古賀コーチに駆け寄り、しっかりと抱き合った。「サイコーうれしいです。背負い投げで取れて、いい恩返しができました」。女三四郎は感謝の気持ちを伝えた。
「今日は負ける気がしなかった。完ぺきな柔道ができた。試合場でわくわくしていた」。1回戦から1分50秒、15秒、17秒の短時間で片付け、準決勝は昨年の世界選手権女王クルコウェルを病院送りにして棄権勝ち。古賀コーチに「必ず投げて勝てよ」と送り出された決勝も、1分19秒の早業で決めてみせた。1試合平均61秒。谷本は愛きょうのある笑みを会場中に振りまいた。
01年ミュンヘン世界選手権の代表に選ばれてから、古賀コーチとの二人三脚が始まった。右組みの谷本が教えられた技は左の一本背負い。直伝だけに形もそっくり、切れ味も抜群だ。五輪で左の必殺技を最大限に生かすため、右の技を練習の中心に据えた。「しっかり組んで右の技を出して、初めて左の技が効く」。右を警戒する相手に突然左技を掛ければ効果は倍増する。谷本は練習通りに戦い、結果を出した。
考えたこともなかった駆け引きも教わった。組み手争いでわざと嫌な顔をして、一本背負いをかけやすい体勢に持っていく。「演技も練習しろ」と教えられ、勝つためのあらゆる方法を吸収。わずか6秒で投げられた昨年の大阪世界選手権の屈辱を晴らした。
一般には谷亮子や阿武教子のような知名度はない。だが、全日本柔道連盟幹部の評価は高かった。5月のアジア選手権で優勝した際、吉村監督は「面白い存在になってきた」と目を細め、上村強化委員長も「メダル候補から金メダル候補に格上げだ」と褒めた。言葉通りの金メダルは、夏季五輪で日本女子通算10個目となる区切りの1個。4日に23歳になったばかり。北京で連覇も十分に狙える。【岡山俊明】
[2004/8/18/09:33 紙面から]
写真=女子63キロ級で金メダルを獲得した谷本は古賀コーチと肩を組んでガッツポーズ(撮影・宇治久裕)
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