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  五輪出場決定アーカイブス
 全日本女子選抜体重別選手権
2004年4月12日付紙面より

谷亮子、史上最多4大会連続五輪

2年連続13度目の優勝を決めた谷は「谷として初優勝です」と笑顔を見せた

写真=2年連続13度目の優勝を決めた谷は「谷として初優勝です」と笑顔を見せた

<柔道:全日本女子選抜体重別選手権>
◇11日◇横浜文化体育館

 日本女子初の五輪2連覇を狙う谷亮子(28=トヨタ自動車)が、48キロ級で2年連続13度目の優勝を飾った。日本の柔道選手では最多の4大会連続五輪代表を決めた。オリックス谷佳知(31)との結婚を機に大幅にパワーアップしたYAWARAは、スピードと多様な技の修得を課題に挙げ、さらなる進化を誓った。試合後の強化委員会で78キロ級阿武教子(27=警視庁)ら計6代表(57キロ級は候補)が選出された。

 谷はあえてガッツポーズを控えた。決勝で北田を優勢で下しても表情は厳しいまま。あくまで目標はアテネの金という決意をにじませた。柔道着のすそを整えて一礼し、600人の大応援団に手を振ると、ようやく笑顔を見せた。史上最多の13度目のV。「何回日本一になってもうれしい。でも、まだ30%。さらに強くなって畳に立ちたい」と8月を見据えた。大会後の強化委員会では満場一致で柔道最多の4大会連続五輪が決定。日本女子初の連覇へ、視界は良好だ。

【PDF号外】
谷亮子アテネ五輪出場決定PDF号外
画像をクリックするとPDF形式でご覧いただけます。

 格の違いを見せつけた。七色の技で圧倒した。初戦は遠藤を大外刈りで58秒、準決勝は伸び盛りの山岸を2分1秒、払い腰でたたきつけた。初対戦の17歳山岸は何もさせてもらえなかった。「組み手がうまいし、最後のきめもしっかりしている。速い動きに惑わされないようにと思ったんですが」と11歳上の大先輩に脱帽した。3大会連続優勝の勢いで挑戦した北田も、得意の背負いを封じられた。

 内また、崩れけさ固め、小内刈り、体落としと、すべて異なる技でポイントを奪った。あらゆる技の完成度を高めている谷は、それでも不満を口にした。「成果を出し切れなかった部分がある」。温めているアテネ用の新技は日の目を見なかったが、本番では必殺の秘密兵器になりそうだ。

 遠距離夫婦のオリックス谷とは試合前日の10日にメールを交換。「奥さん、頑張るよ」「奥さん、頑張ってね」と短い会話を交わした。結婚して初の公式大会。結婚すると弱くなる。そんな一般論をあざ笑うかのような強さ。家庭より柔道優先の考えを理解してサポートする夫に報いるためにも負けられなかった。

 昨年から腕立て1000回など常識外れのウエートトレーニングを導入して、筋力をアップさせてきた。組み手を嫌わず堂々と組み合う柔道ができたのは、パワーがついた証拠。「もっとスピードをつけ、技の数を増やしたい」。残り4カ月で2つの課題をクリアした時、谷は再び表彰台の頂点に立つ。【岡山俊明】

 ○…オリックス谷は、亮子夫人の勇姿をテレビで見届けた。「いい試合だったと思います。特に緊張もないようだったし、(彼女にとって)いい1日だったと思う。ケガなく終われたのが一番です」と喜んだ。アテネでは夫婦そろって五輪出場する夢がある。大きな刺激を受け「ずっと勝ち続けるのは一番難しいことでしょうが、常に勝っている人」と、あらためて夫人の強さに感心していた。

アテネ五輪柔道女子代表
階級 代表 年齢 所属
48キロ級 谷亮子 28 トヨタ自動車
52キロ級 横沢由貴 23 三井住友海上
57キロ級 日下部基栄 25 福岡県警
63キロ級 谷本歩実 22 コマツ
70キロ級 上野雅恵 25 三井住友海上
78キロ級 阿武教子 27 警視庁
78キロ超級 塚田真希 22 綜合警備保障
※年齢は4月19日現在。57キロ級は国の出場枠未取得のため代表候補

阿武12連覇でアテネ決めた

 YAWARAを超えた。阿武が谷を上回る今大会12連覇で五輪出場を決めた。高校2年生、17歳での初制覇以来、日本のトップを守り続けた大記録。「1つくらい谷選手から記録をもらってもいいかな」と笑顔を見せた。

 3度目の大舞台。96年アトランタ、00年シドニー五輪はともに初戦敗退に終わった。世界選手権4連覇の女王もなぜか五輪では力を出せずにいる。全日本柔道連盟の上村強化委員長は「五輪を特別視しすぎている」と言う。阿武も魔物の正体はつかみつつある。「常に気迫を持てるか。そのためには普段の練習から追い込む。最後は自分との戦いだから」。

 アテネでは心強い味方もいる。元強化選手の兄貴宏さんが初めて帯同。兄が付き人を務めた世界選手権はすべて頂点に立った。「今までの経験を生かして、三度目の正直で金メダルをとりたい」。口癖は「五輪の借りは五輪で返す」。今度こそ実現する。

上野姉は代表、妹は落選

 柔道初の姉妹五輪出場はかなわなかった。70キロ級上野雅恵(25)63キロ級順恵(20=ともに三井住友海上)の姉妹は、準決勝で敗れた。雅恵は昨年世界選手権優勝などの実績から代表に選出されたが順恵は落選。姉妹で明暗が分かれる結果となった。

 姉の雅恵は70キロ級準決勝でまさかの1本負け。その15分後、63キロ級準決勝に登場した順恵も開始45秒で有効を奪われ敗退した。優勝すれば五輪は確実だっただけに「(姉の敗戦は)ちょっとびっくりした。自分が弱かったのでこういう結果になった」と目を真っ赤に腫らした。

 優勝候補本命の雅恵も、負けての五輪切符獲得に後味が悪かった。試合直後は「代表はどうなるか分からない」と不安を隠しきれず、決定後も「調子は良かったが、試合になると思うようにいかなかった」と終始伏し目がち。柳沢久監督も「直前で体調を崩し、練習不足の影響が出た」と首をひねった。

 雅恵が初出場した前回シドニー五輪。高校生だった順恵は両親の応援ツアーを「自分の力で行く」と断った。アテネではその約束は果たせなかった。しかし、雅恵がいる。「今回の負けを反省して次につなげる」。自分のふがいなさ、妹の悔しさを金メダルでぬぐい去る。【小林明央】

横沢五輪切符勝ち取る/52キロ級

 昨年世界選手権銅の横沢が、3年ぶり2回目の優勝で五輪切符を勝ち取った。「勝って代表になりたかったから、攻めることだけを考えた。五輪に出るだけでなく王者になりたい」。感動したという前回のシドニー五輪では先輩の応援だったが、今度は戦いの場に立つ。

谷本オール1本勝ち/63キロ級

 昨年世界選手権代表の谷本がオール1本勝ちで代表権を獲得した。決勝は開始40秒で古賀コーチ直伝の一本背負い。01年世界選手権銅も、昨年は2戦目で敗退した。「世界選手権の借りを返すためにも五輪を目指してきた」。完全復活に手応えをつかんだ。

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