レスリングで不可解判定、抗議文提出へ
26日に行われたアテネ五輪レスリング男子グレコローマン60キロ級の決勝トーナメント1回戦、笹本睦(26=綜合警備保障)−アルメン・ナザリャン(ブルガリア)でレフェリーの判断が覆る不可解な判定で笹本が敗れたため、富山英明監督は国際連盟に問題の場面を撮影したビデオを添え、疑問を投げかける文書を提出する意向を明らかにした。
問題の場面は笹本の2−3で迎えた5分40秒すぎ。笹本は得意の俵返しの体勢に入り、後方に投げたが、五輪3連覇を狙うナザリャンの左手が右足に触れたこともあって、体勢を崩してあおむけに落ちた。
グレコローマンは上半身のみの攻防で争うルール。レフェリーはナザリャンの反則をとり、笹本に2点を与えた。しかし、最終決定権を持つマットチェアマンがビデオ判定で覆し、ナザリャンに2点を入れたため、笹本は最終的に3−5で判定負けした。
富山監督は「国際連盟のビデオからナザリャンの左手は隠れていた。レフェリーは見えていたが、マットチェアマンとジャッジからは見える位置でない」と指摘。「今のルールでは抗議できないが、今後のために状況確認の必要がある」と文書提出の理由を語った。
国際連盟副会長の福田富昭・日本協会会長は「2年前まで抗議の制度があった。この制度があれば反則で勝っていた」と怒りを抑えて話した。
[2004/8/26/20:41]
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