2004年8月14日付紙面から
日本−パラグアイ戦を、3人はどんな思いで見ただろう。直前で五輪代表から漏れたFW高原直泰(ハンブルガーSV)MF鈴木啓太(浦和)GK林卓人(広島)だ。
高原は肺動脈血栓塞栓(そくせん)症からの回復を目指したが、五輪参加にドクターストップがかかった。7月の石垣島合宿では、シャイな性格なのに年下の選手に声をかけていた。1週間たらずだったが確かに五輪代表の一員だった。高原不在を感じさせないことが今のFWの役割だ。
鈴木は山本ジャパンの功労者だった。チームが注目されずに弱かったころ、ピッチに響いていたのはいつも彼の声だった。主将として精神的支柱だった。MF小野を尊敬し、誰より一緒にプレーしたいと願っていた。生き残りたい気持ちをストレートに表現した練習ぶりに、何度か感動させられた。
林は補欠登録としてチームに帯同している。だが故障者が出ない限り、出場の可能性はゼロ。選手登録されず、チームメートが移動の際に着る公式シャツではなく、1人だけ黒のスーツ。ホテルの階も彼だけ違う。最終予選6試合を守り抜いた男の思いは複雑だ。<
高原の件はともかく、プロは実力の社会。感傷主義は彼らに失礼だ。当然、残されたメンバーで、手を抜いてプレーしている者はいない。だが、この場にたどり着けなかった彼らは、善戦では納得できまい。結果で報いて欲しい。【佐々木一郎】
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