2004年8月22日付紙面から
メダルの源は“餅入りバター雑炊”
日本が金メダルラッシュを見せている。要因は数多くあるだろうが、これを忘れてはならない。食事。「最後の1秒、最後の1センチは何を食べてきたかで決まる」という名言を残したのは、32年前のミュンヘン五輪、米国陸上コーチと記憶している。以来、スポーツと食事は、記録や勝負の面でとても大切な要素となった。体づくりの段階でもそうだが、試合前に何をどう食べるかが重要だ。
野球や陸上など瞬発力中心の種目では、糖質中心で試合の4時間前に食べるのが原則。糖質が食べてから何時間ぐらいでエネルギーになるかは、英国医師の研究による「グリセミック指数G.I.」で計れる。GIが85以上と高い食品は、その日のうちにエネルギーに変わる。フランスパン、食パン、レーズンパン、ポテトやコーン、ショ糖などである。一番のお勧めメニューはコーンポタージュと、バター、はちみつをたっぷり塗ったトースト。さらに、サッカーや野球など体がぶつかり合うスポーツは、動物性脂肪としてウインナソーセージやハムエッグなども加えた方がいい。戦う姿勢、負けない強い意志を保つためだ。
以前は、パスタやバナナを食べたが、これらはGIが70〜75と低い。食べても翌々日にならないとエネルギーに変わらない。おにぎり、うどんは2日かかるし、牛乳やヨーグルトは3日以上。ただし、力うどんでおもちを食べると約2時間後には力を発揮する。これを知る巨人清原さんは、試合直前に奥さまの手づくりおもちを磯辺焼きで2、3個食べている。日本マラソンチームもスタート4時間前に小さく切ったおもちが5、6個入ったバター味の雑炊を食べる。
スポーツだけでなく、ふだんの仕事や受験、病後の回復にもGIは役立つ。試合前の食卓から、勝負は始まっているのだ。
◆平石貴久(ひらいし・たかひさ)1950年11月4日、鹿児島県生まれ。東京・六本木「平石クリニック」院長。専門は内科、スポーツ医学など。サッカー、野球、陸上、ゴルフ、格闘技など多岐に渡る種目で選手、チームの健康管理を担う。
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