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長嶋監督断念、アテネ五輪行かない

03年10月30日、打撃練習を見守る長嶋茂雄監督=福岡ドーム

 脳梗塞(こうそく)でリハビリ中のアテネ五輪日本代表の長嶋茂雄監督(68)が、8月15日に開幕する同五輪の指揮を見送る意向を固めたことが30日、明らかになった。長嶋監督は3月に倒れて以降、必死のリハビリを続け順調に回復しているが、このほど医師団と現場指揮について協議。大事を取ることを決めた。ただし長嶋監督は、関係者に4年後の北京五輪やW杯で指揮をとることに前向きな姿勢を見せている。野球への情熱は依然、衰えておらず、将来を見据えた前向きな「決断」といえそうだ。

 前向きな決断だ。日本代表編成委員会では、長嶋監督がアテネで指揮をとることを前提に、チャーター便の運航、現地での対応など万全な医療態勢を検討してきた。しかし、このほど長嶋監督が医師団とアテネ指揮の可能性を協議した結果、長時間のフライトや海外での医療態勢には限界があると判断。見合わせることを決心した。

 決定時こそ涙を流さんばかりに落ち込んでいたという長嶋監督だが、その直後から気持ちを切り替えるように、知人との会食など積極的に外出をするようになった。今回の五輪はコーチ、選手にすべてを託し、自身は電話などによる指示で悲願の金メダルへ向けて後方支援する。さらに、関係者には「アテネの金メダルのために全力を尽くす」とした上で、自身の指揮については4年後の北京五輪だけでなく「W杯もありますよ」と前向きに語ったという。長嶋監督の野球にかける情熱は、まったく衰えていない。

 当初は今月13、14日のキューバとの壮行試合(東京ドーム)での復帰を望んでいたが、脳梗塞の後遺症による右半身のまひなどの回復が完全でないため、断念した。その後もアテネ指揮を目標に、厳しいリハビリに専念。右半身のまひ、言語機能の障害は家族ら周囲の介護もあり、順調な経過を見せてきた。現在は、つえなしで歩行でき、外出ができるほど回復している。だがアテネへは、直航便でも12時間以上かかり、気圧の変化にも耐えなければならないという、大きなリスクがあった。

 現地にその勇姿を見せられなくても、アテネ五輪は「長嶋ジャパン」体制で臨むことに変わりはない。既に登録している監督名「長嶋茂雄」で変更はない。五輪本番は中畑清ヘッドコーチ(50)が指揮を執ることになる。この日、日本代表編成委員会の長船騏郎委員長(80)は「まだ報告は来ていない。長嶋監督でやってもらいたい気持ちに変わりはない。結論を焦らず、20日に(関係者に)電話して決めます」と話した。選手も前日29日に巨人高橋由が「長嶋監督の下、必ず日の丸を高く掲げます」と宣言した。ベンチに「背番号3」は不在でも、金メダルを狙う長嶋ジャパンは1つだ。

[2004/7/31/10:58 紙面から]

写真=03年10月30日、打撃練習を見守る長嶋茂雄監督=福岡ドーム

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