中村礼子、新女王だ!/競泳日本選手権
<競泳:日本選手権兼アテネ五輪代表選考会>◇3日目◇22日◇東京辰巳国際水泳場
中村礼子(21=日体大)が女子100メートル背泳ぎを1分0秒98で初制覇し、アテネ五輪派遣標準記録を突破して代表を決めた。昨年10月から北島康介を育てた平井伯昌コーチ(40)の指導を受け始めて急成長。今大会最激戦種目を制して夢をつかんだ。北島、個人メドレー三木二郎に続いて「チーム北島」から3人目の五輪代表になる。
興奮冷めやらぬ優勝会見中、チームメートの北島から声がかかった。「礼子、おめでとう」。ともに練習し、励まし合った仲間からの祝福。中村礼は初の五輪切符をつかんだ実感がわいてきた。「勝ちたいという気持ちは1番強かったと思う」。有力選手がひしめく激戦区を、世界大会の実績がない新エースがつかんだ。
スタート後の浮き上がりから頭1つ抜け出した。50メートルのターンでもトップを守った。頭には平井コーチの言葉が浮かんだ。「後半1番強いのは礼子だ」。前半より後続を0秒21突き放してゴール板をたたいた。「レース展開は無我夢中で覚えてない」。平井コーチの指導で体で覚えた泳ぎが、土壇場で生きた。
「五輪に行ってメダルをとりたい」。昨年10月、平井コーチのもとに駆け込んだ。中学時代から強化選手に選ばれながら大舞台で結果を出せなかった。そんな自分を変えたかった。世界一の北島との練習には刺激があった。北島と一緒にJISS(国立スポーツ科学センター)の田村尚之トレーナーと初めて本格的な筋トレも始めた。体重は昨年より3キロアップ。1ストロークのパワーは増した。
「練習などで記録をとって自信をつけさせた」と平井コーチ。今年に入ると1月のW杯2大会で優勝。今まで控えめだった性格が信じられないほど、態度も堂々としてきた。試合前の恐怖感もなくなった。「自分からお願いして見てもらったから安心して練習できた。精神面、技術ともにすべてが変わった」と話した。
北島、三木に続く3人目の「チーム北島」の五輪切符獲得。レベルの高いメンバーの一員だけに、ここでほっとすることはない。「まだ200メートルがあるから」。この日のタイムは昨年の世界選手権4位に相当。得意の200メートルで日本新記録を出し、真のメダル候補になる。【田口潤】
[2004/4/23/10:19 紙面から]
写真=女子100メートル背泳ぎで優勝しアテネ切符を手に入れた中村礼子の泳ぎ(撮影・宇治久裕)
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