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井上銅!16年ぶり複数メダル/レスリング

最高の笑顔で、銅メダルをかじる井上

<アテネ五輪:男子レスリング>◇29日◇フリースタイル60キロ級3位決定戦

 レスリング男子が88年ソウル大会以来16年ぶりに複数メダルに輝いた。フリー60キロ級の井上謙二(27=自衛隊)が3位決定戦でワシル・フェドルイシン(ウクライナ)を延長6−5の判定で下し、銅メダルを獲得。前日に銅メダルを手にした55キロ級の田南部に続いた。半年前は代表経験すらなかったシンデレラボーイが、数々のケガを乗り越えて遅咲きの花を咲かせた。

 終了のブザーが鳴っても井上は攻め続けた。フェドルイシンと延長死闘の末、片足タックルで決勝点。跳び上がって絶叫するセコンドを見て、ようやく勝利を確信した。恩師の富山監督にタックルし、喜びを爆発させると、左胸の日の丸にキスをして恋人が見守る観客席にかざした。「日本は強いんだぞって言いたかった」。代表経験も日本一もない男が、最高の舞台で大仕事をやってのけた。

 国際経験は皆無に等しかった。当然、下馬評も低かった。富山監督でさえ「正直、あまり期待していなかった」。高校時代から期待されたが、度重なるケガに泣かされた。3年前に両ひざ前十字じん帯を手術。レスリング人生の岐路に立たされたが、1通の年賀状に支えられた。「五輪で金を取れよ」。尊敬する富山監督の文字に勇気づけられ、病室で夜中のトレーニングに没頭した。「頂点にいる人からどん底の人間に言葉を掛けてもらって励みになった」。中学の文集で「五輪に出る」と誓った男は、かすかにしか見えないアテネへ前進を続けた。

 努力が幸運を呼んだ。今年1月の五輪2次予選第1ステージ(S)で同僚の山本が枠取りに失敗、2月の第2Sに急きょチャンスが巡ってきた。万一に備えて調整していた井上は、ワンチャンスを生かして優勝。4月の選抜も制して、初代表を勝ち取った。今大会は苦戦続きで1次リーグ初戦で負け。ところがライバルが星をつぶしあい、準決勝に進出した。3位決定戦も1点差で勝ち、綱渡りでシンデレラストーリーを完成させた。富山監督は「五輪は運と力と勢い。僕にあこがれて日大に入った子だから何とかしたかった」と顔をくしゃくしゃにした。

 生まれつき左の腎臓がなく、両ひざには人工じん帯が埋め込まれ、直前合宿で鼻骨骨折。開会式前には右目の角膜を傷つけ頭痛に悩まされた。「悪いことはもうない。絶対にいいことがあると信じていた」。高校1年の時、骨折した足のギプスを風呂場で壊し、国体県予選に強行出場して優勝した。ケガに負けない根性ではい上がってきた。「世界チャンピオンを目標にまた頑張る」。不屈の男は、銅では満足していない。【岡山俊明】

[2004/8/30/09:26 紙面から]

写真=最高の笑顔で、銅メダルをかじる井上



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