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72年ぶりリレーW決勝進出/陸上
<アテネ五輪陸上:男子400メートルリレー>◇27日◇予選
72年ぶりの快挙だ! 陸上男子400メートルと1600メートルのリレーで、日本がともに決勝に進出した。ダブル進出は32年ロサンゼルス大会以来。400メートルリレーではエース末続慎吾(24=ミズノ)が意地の激走。日本の短距離カルテット(土江、末続、高平、朝原)をリードし、2大会連続の決勝進出を決めた。予選1組5位ながら38秒53の好記録だった。1600メートルリレー(山口、小坂田、伊藤、佐藤)も3分2秒71で1組2位と健闘し、2大会ぶりに予選を突破。個人で低迷した日本短距離陣がリレーで意地を見せた。
意地とプライドをかけた100メートルだった。土江からバトンを受けた末続がバックストレートの風になった。各国エースがそろう2走は、個人種目の借りを返す絶好の舞台だ。独特の低い姿勢から加速し、外側との差を詰めた。3走高平とのパスでやや詰まるが、1度、魂を吹き込んだバトンは死ななかった。アンカー朝原の走りには伸びがあった。38秒53。2大会連続の決勝進出が決まった。
「もう切り替えました。悔しいと思ってるヒマもない。こんなにフレッシュな体でリレーに出場するのは初めてですよ」。男子100メートルでまさかの2次予選敗退。五輪のレベルを痛感した。だがその屈辱がハートに火をつけた。メンバー4人で朝から晩まですごし「このままでは終われない」と話し合った。男子200メートルには目もくれずに練習した。試合間隔の空いた肉体は走ることに飢えていた。
脳裏に大先輩・伊東浩司の顔が浮かんでいた。4年前、一緒に出場した最初で最後のシドニー五輪。強烈なオーラを放つ孤高のスプリンターは一線を退く決断をしていた。と同時に、それまでアドバイスを求めても何1つ答えてくれなかった伊東が、末続にだけ10秒00を出した時の感覚、練習法をすべてはき出してくれたという。「エースのバトン」を受けたことを実感していた。このまま立ち止まるわけにはいかなかった。
0秒04。予選3位のオーストラリアとの差はわずか30センチ程度の距離。偶然にもシドニー五輪の準決勝も上位3番目とは100分の4秒差だった。だが前回は3走末続がレース中に肉離れを起こし、無念の6位に終わった。伊東も、他メンバーも末続を責めなかった。その方が100倍身に染みた。「(差は)小さいようで小さいっすから」と末続。軽くなった口調が、眠れるエース復活の証しでもあった。
約1時間後。1600メートルリレーも決勝進出の吉報が届いた。ダブル進出は32年ロサンゼルス五輪以来72年ぶりの快挙となった。戦後最強といわれながら、個人種目では惨敗した短距離ニッポンが、最後に「肩書」にふさわしい意地をみせた。【牧野真治】
[2004/8/29/09:23 紙面から]
写真=男子400メートルリレーで決勝進出を決め喜ぶ奥から高平、朝原、ガッツポーズする土江、末続(撮影・宇治久裕)
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