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アルゼンチン無失点で金!/男子サッカー
<アテネ五輪男子サッカー:アルゼンチン1−0パラグアイ>◇28日◇決勝
マラドーナ2世が、アルゼンチンに52年ぶりの金メダルをもたらした。1928年以来の南米対決となった男子サッカー決勝は、アルゼンチンが1−0でパラグアイを撃破。FWカルロス・テベス(20=ボカジュニアーズ)が前半18分に決勝点を奪い、大会通算6戦8ゴールで得点王に輝いた。無失点の完全Vは五輪では100年ぶり。52年ヘルシンキ大会のボート競技で金メダルを獲得してから、半世紀以上ぶりにアルゼンチンに至福の時が訪れた。
聖火が見下ろすスタジアムに、アルゼンチン国歌が響いた。表彰台の最も高い位置に立ったテベスは、はっきりと口ずさんでいた。
我々が手にした月桂(げっけい)樹よ、永遠なれ。栄光を抱いて生きよう。さもなくば、栄光のうちに死ぬことを誓おう−−。
52年ぶりに五輪の舞台に鳴り響いた歌は、青い空を渡り、早朝のアルゼンチンに届いていた。涙は、ない。イレブンの誰もが笑い、歌い、輪になって踊りまくった。
歴史的勝利は、エースが引き寄せた。開始18分、右からのセンタリングに反応し、寄せてくるGKより速く右足を差し出す。ボールはコースを変えてネットを揺すった。
焦った南米のライバルは後半、2人の退場者を出した。11対9。あとは、時間の経過を待つだけ。守備陣は6戦通じて無失点。五輪では100年ぶりの快挙だ。A代表も率いるビエルサ監督は、決勝戦でFWサビオラをベンチに置く現実采配をふるい、スキを見せなかった。点差以上の完勝で、水色と白のユニホームが、五輪発祥の地で頂点に立った。
「僕を信じてくれた監督に感謝したい。僕らはすごいチームで、どんどん1つになっていった。金メダルが取れてうれしいよ」。先発した11人の中で最も小さい168センチのストライカーは言った。17日間の6試合で8発。決勝トーナメントに入ってからは3戦とも得点した。6戦17得点と爆発したチームを引っ張り、金メダルロードを一直線に駆け抜けた。
ブエノスアイレスの貧民街フエルテ・アパッチョに、5人兄弟の長男として生まれた。生活が苦しく、サッカーで家族を助ける夢を見た。97年にボカジュニアーズの下部組織に入り、01年10月にトップデビュー。翌年にはマラドーナの代名詞だった10番を背負った。巧みなドリブルに、ずんぐりとした体形。英雄そっくりの男は、03年に南米最優秀選手に選ばれた。今や家族だけでなく、アルゼンチンも救うアイドル。今大会は、テベスのためにあった。
ビエルサ監督は言った。「メダルはみんなのもので、アルゼンチンの国民にささげるものだ。選手に感謝したい」。来年は欧州ビッグクラブでプレーするだろうアテネ五輪の得点王は母国に栄誉をもたらし、あらためて世界中にテベスという名前を売り込んだ。【佐々木一郎】
[2004/8/29/09:23 紙面から]
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