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サムライ娘あっぱれ銀!/シンクロ
<アテネ五輪:シンクロナイズドスイミング>◇27日◇チーム・決勝フリールーティン
日本の水の妖精たちが、2大会連続銀メダルを獲得した。チーム予選テクニカルルーティン(TR)で2位につけた日本は、決勝フリールーティン(FR)で「武士道」をテーマにした勢いのある演技を披露。予選首位のロシアを逆転することはできなかったが、五輪種目として採用された84年ロサンゼルス大会から実施された全11種目でメダル獲得を果たした。ロシアがシドニー大会に続く連覇を飾った。
激しい太鼓の音に乗り、8人は水面を舞った。夕闇迫るプールに響く刀の触れ合う音に合わせ、16本の脚が小刻みに動く。リフトの高さも十分、演技もスピード感抜群だった。プログラムのテーマは武士道。最後まであきらめることはなかった。「サムライinアテネ」の曲に乗り「ラストサムライ」になって全力を振り絞った。手足がしびれても、呼吸が苦しくても、必死に動きを合わせ、水から出れば笑顔をつくった。プールから上がった8人の表情には、力を出し切った満足感が漂っていた。
前日のTRではロシアに0・500点の大差の2位に終わった。初披露の阿波おどりでも、インパクトは与えられなかった。水の中で、8人が側転を繰り返す「人間風車8連発」も今ひとつだった。選手にいつもの切れはなく、会心の演技からは程遠かった。TRで勝負をかけて逃げ切る作戦は、もろくも崩れた。
井村雅代ヘッドコーチ(54)は演技後の選手を一喝した。「今日と同じ演技をしたらあかん。できるものは全部出さんと、このままでは終われんよ。今までやってきたことを信じて捨て身でいけば、見違えるような演技ができる」。選手たちは、井村ヘッドの言葉を胸に秘めて水中で舞った。
1日12時間以上も水中にいた合宿。「帰れ」「足が汚い。あんたはアザラシか」。コーチから人格を否定されるほど、罵倒(ばとう)された。選手たちは、夢のためにかけた日々を思い出して、力に変えた。
今回のチームの最大の課題も吹き飛ばした。立花、武田のベテランと、若手選手の実力差。井村ヘッドは「シドニー大会前は、だめな子は1人か2人。今は日替わりで順番に出てくる」と話した。「2人との差を言われるのが1番つらかった」と米田。若手選手は、2人を目標に、その差を埋めるべく努力を続けた。
目標の金メダルは手にできなかった。ロシアの壁は厚かった。しかし、この日の銀メダルはシドニー後、4年間の努力の積み重ねの結果。そしてまた、4年後への努力が始まる。今大会限りで、長く日本を引っ張ってきた立花、武田が引退する。若手メンバーも数人が辞める。悲願の金メダルへ、日本の北京への新たな戦いは、すぐに始まる。
[2004/8/28/09:33 紙面から]
写真=見事な演技を繰り広げる日本チーム(撮影・野上伸悟)
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