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長嶋ジャパン涙の銅、意地の銅/野球
<野球:日本11−2カナダ>◇25日◇3位決定戦
長嶋JAPANが、意地の銅メダルをつかんだ。3位決定戦で、カナダを圧倒。11−2で退け、00年シドニー五輪で逃したメダルを獲得した。まさかの準決勝敗退から一夜明け、懸命に気持ちを切り替えた。4番のダイエー城島が初回に先制2ランを放つなど3長打4打点で打線をけん引。守ってはダイエー和田、広島黒田、ロッテ小林雅のリレーで追撃を振り切った。悔しさは残るが、必死につかんだメダル。首脳陣、選手の目には熱いものがにじんだ。重圧と戦い続けたナインは明日27日夕、胸を張って帰国する。
一塁を回った城島が、右腕を振り上げた。1回表2死一塁から左中間へ先制2ラン。スタンド、ベンチともに、金メダルを狙っていた前日までほどテンションは高くない。だが、城島はガッツポーズを繰り返し大声でほえた。ナインも呼応して叫んだ。自らの気持ちを鼓舞するように。下方修正を余儀なくされた目標を達成するために。
打線は3安打4打点の城島を軸とし、13安打を放ち11得点を奪った。準決勝で、このうちの1点でも取れていれば…。悔しさを再認識するように宮本が、福留が、木村拓が打ちまくった。
投手も和田、黒田、小林雅のリレーで5安打2失点。最後の打者を右飛に打ち取ると、主将の宮本は両手を高々と上げた。ハイタッチを終えた中村は、赤いリストバンドで何度も顔をぬぐった。高橋由の目からも涙がこぼれた。宮本、村松、中畑ヘッドコーチ(監督代行)の目も濡れていた。大きな重圧と戦ってきた証しだった。銅メダル。最高の結果ではなかった。だが、全員が心を1つにして全力で戦った。その価値が下がることなどない。
前日の敗戦後、ホテルで選手たちは集まった。宮本が言った。「今日の負けは油断でも何でもない。しっかりと受け止めよう。今日は落ち込んでもいい。でも、明日の朝起きたら気持ちを切り替えてプロとしての責任を全うしよう」。長嶋監督からの「勝っておごらず、負けて腐らず」というメッセージも心に響いた。3位決定戦は名誉のためではなく、プロ選手としての誇りをかけた戦いだった。
宮本「金メダルを目標にやってきて達成できないのは残念。でも、プロとして責任は果たせたと思う。本当にいいメンバーが集まった。一瞬たりとも気の抜けたプレーをしたヤツはいなかった。それは胸を張って言える」。
中畑ヘッドは「このチームはオール・プロで戦うモデルケースになったと思う」と言う。今回は初めてプロ選手だけで予選から戦ってきた。単にトップ選手たちが集っただけの「烏合(うごう)の衆」になるか、高いレベルでのチームとして機能するか。表裏一体の危険性を持っていた。だが、長嶋ジャパンは「チーム」になった。個々が勝利を考え、走攻守すべてに力の限りを出した。
中畑ヘッド「国民の期待に応えられなかったが、1つも恥じることはない。銅だが、金に値する。長嶋監督は『野球界の伝道師になれ』と言ったが、24人全員が伝道師になった」。
日本球界は今、荒波にいる。合併、1リーグ、今回の五輪でもプロ側の協力体制には問題が残った。伝道師たちは銅メダルと、貴重な経験と共に日本へ帰る。彼らを乗せたプロ野球という船は、これから、どこに向かっていくだろうか。【飯島智則】
[2004/8/26/09:06 紙面から]
写真=銅メダルの獲得を決めた日本ナインの中で、高橋は死球を受けた右ヒジをアイシングしながら目頭を押さえる(撮影・栗山尚久)
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