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冨田、キンキラの銀!/男子体操
<アテネ五輪:体操>◇23日◇男女種目別決勝
体操の男子種目別平行棒で冨田洋之(23=セントラルスポーツ)が9・775点で銀メダルに輝いた。22日のつり輪では、地元ギリシャ選手への不可解な高採点もあって4位に終わり、あと1歩でメダルを逃したが、その悔しさを最後の種目にぶつけた。鉄棒では米田功(27=徳洲会)が9・787点で銅メダル。日本勢は男子団体総合の金、種目別男子あん馬の鹿島丈博の銅と合わせて4つのメダルを獲得し、アテネで体操ニッポン復活を強く印象づけた。
美しさにこだわった。種目別の平行棒。冨田は自らの競技のキーワードでもある「美しい体操」を貫いた。最高難度スーパーEの大技はないが、1つ1つの技がまったく乱れない安定した演技。最後もまっすぐな姿勢で着地もピタリと決めた。「着地を意識した。丁寧にやれば、結果は出せると思った」。念願の個人メダルをやっと手にした。
前日の種目別つり輪では、ぶつけようのない悔しさを味わった。ほぼ完ぺきな演技で9・800の高得点をマークしたが4位。金メダルのタンパコス(ギリシャ)への不可解な高い採点の犠牲になった。体操関係者が「あれは9・7程度の演技」と口をそろえるレベルだったが、会場の異常な盛り上がりに審判団が重圧を受けたと取られても仕方ない。演技内容は明らかに冨田が勝っていた。
「いや別に、自分はかかわっていないし、今日は今日で自分の演技を丁寧にやろうと」。普段から寡黙でまじめな男だけに、不満は一切口にしなかった。その代わりに、いつも以上につま先、指先にまで神経を行き届かせた。「美しくないと体操ではない。ただ派手な技をするだけなら、サーカスと変わらない」というポリシーを信じた。その結果が、金メダルと0・012差の価値ある銀につながった。
もともと平行棒は、世界に羽ばたくきっかけをつかんだ種目。01年東アジア大会金メダルで世界と戦う自信を得た。この日はシドニー大会、昨年の世界選手権金メダル、今大会銅の李小鵬(中国)を初めて上回った。小学生時代から毎日筋トレをこなしてきた努力の男が、2個のメダルを得たアテネで世界にその名を浸透させた。「団体金メダルの後は、なかなか日本をアピールできなかった。最初(団体)と最後でメダルを取れてよかった。次は全日本社会人選手権(9月、仙台)に向けて頑張ります」。4年後の北京へ、体操ニッポンのエースは立ち止まらない。【田口潤】
[2004/8/25/08:56 紙面から]
写真=冨田は銀メダルを獲得し、スタンドの声援に応える(撮影・鹿野芳博)
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