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浜口意地の銅だ/女子レスリング
<アテネ五輪:レスリング>◇23日◇女子72キロ級
72キロ級の浜口京子(26=ジャパンビバレッジ)は3位決定戦でサエンコ(ウクライナ)に勝って銅メダルを獲得した。
銅メダルは父と娘の意地だった。「五輪で勝つ。レスリングは天が2人に与えた使命」。その思いだけが、浜口の銅メダルを支えた。五輪初代女王の勲章。それだけを目指してきた。悔しい銅メダルだが、ようやく浜口に笑顔が戻った。「本当はもっと輝いているメダルが欲しかった。でも、金メダル以上の経験をもらいました」。これまでの感謝の意味も込め、マットにキスをした。
気持ちはしっかりと切り替えた。昨年の世界選手権初戦で倒しているサエンコから、着実にポイントを築き上げた。第1ピリオドで4−0。そのまま最後は逃げ切った。右まぶたは、試合中のアクシデントで腫れ上がった。つらい歴戦の証しだった。
準決勝で18歳の王旭(中国)にまさかの判定負けを喫した。父娘の夢だった金メダルは、その瞬間に消えた。電光掲示板のミスで、途中、3−4が4−3リードと表示された。試合終了の瞬間、浜口は敗戦を理解できなかった。スタンドから父アニマル浜口氏も絶叫した。「おれが命懸けで守ってやる!」。体半分を観客席から乗り出し、警備員に制止された。しかし、判定が覆ることはなかった。
親子で多くの挫折を乗り越えてきた。97年から世界選手権を3連覇。しかし、00年は銅、01年は4位に転落した。しかし02年大会で復活の金を獲得。昨年はW杯でライバルの外国選手に敗れ3位に終わった。それも、今年のプレ五輪で雪辱した。そして、最後の大舞台で、再び女王は銅メダルに終わる厳しい現実が待っていた。
日本選手団513人の期待とともに、開会式で旗手として行進した。日の丸をしっかりと握る両手の人さし指にだけ、マニキュアが塗ってあった。「生きてきた中で一番輝ける時」。その金メダルの瞬間に「1番」と突き上げるためだった。しかし、その夢はかなわなかった。浜口は、その指で涙をぬぐった。
[2004/8/24/09:52 紙面から]
写真=女子72キロ級表彰式で、銅メダルを見せる浜口(撮影・宇治久裕)
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