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隣の的撃ち、金がパー/射撃
<アテネ五輪:射撃>◇22日◇男子ライフル3姿勢
当りどころが悪かった。
実に4時間以上、130発の合計得点を競う「射撃のマラソン」男子ライフル射撃3姿勢も残るは最後の1発。トップのマシュー・エモンズ(23=米国)は、ライフル伏射に続く2冠を撃ち抜こうとしていた。銃を構え、集中して、狙いを定める。一呼吸おいて、引き金を引く。爆発音。プス〜ッと的から煙が上がる。当たった。この瞬間、金メダルはアラスカ大の23歳学生がつかんだはずだった。
だが歓声もない。拍手もない。審判員も何やら話し合っている。戸惑うエモンズ。困惑顔の関係者。そして流れるアナウンス。「0点デス」。確かに弾丸は的を射抜いていた…隣の。
あぁ的はずれ。2位に3ポイント差をつけて優勝確実という状況で、ウイニングショットは右隣のレーンの的を撃ち抜いていた。「いつもは的の上のレーン番号を確認してから照準を合わせるんだ」。もう遅い。「最初はよくある的の不調だと思った。クロスファイアーなんてあるわけないからね」。それを自分がやらかした。「ちゃんと番号を見ればよかった…」。エモンズの横で、中国史上初めてこの種目で優勝した中国の賈だけが喜んでいた。
無理もない面もある。4時間に及ぶ競技では、極限の集中力が要求される。試合後には、2キロ以上体重が落ちる選手もいる。ゆえに3姿勢の優勝者は「射撃王」と呼ばれるが、エモンズは言った。「ボクはまだ、金メダルに値しなかったってことだよ」。言葉だけは、的を射ていた。
[2004/8/23/08:54 紙面から]
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