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レース中に肩叩き「皇帝」禅譲/陸上
<アテネ五輪陸上:男子1万メートル決勝>◇21日
自らを「皇帝の後継者」と呼ぶベケレ(22=エチオピア)がドラマティックな優勝を飾り、国境を越えた喝采を浴びた。レースは序盤からエチオピア勢が独走。世界陸上4度、五輪2度優勝の皇帝ゲブレシラシエ(32)シヒネ(21)そしてベケレが跳びはねるようにトラックを回った。異変が起きたのは残り7周を手前にした付近。
皇帝の顔がゆがんだ。さすがに年齢による衰えを隠せない。貧困からの成功、人柄の良さ、潔いレースっぷりが映画化もされた英雄は、前を行くベケレ、シヒネの肩をたたいた。「後は頼んだぞ」。戸惑いながらベケレがスピードを上げた。だが残り3周で再びスピードダウンする。「我々はエチオピアの『チーム』。苦しい時は助け合うんだ」。10歳のころからあこがれていた英雄の復活を信じながら…。
しかし、ウガンダ、ケニア勢の猛追に合う。後ろを何度も振り返った。親離れする子供のようにベケレは残り1周でスパートした。ラップは驚異の52秒。会場の誰もが新旧交代の意味を知り、短距離のようなスピードに惜しみない拍手を送った。27分5秒10は五輪新。「この勝利はゲブレシラシエの勝利でもある」。ベケレは03年世界陸上に続く「連覇」を達成。皇帝のバトンはアテネで受け継がれた。
[2004/8/22/08:43 紙面から]
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