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室伏、ハンマー投げ1発決勝!/陸上
<アテネ五輪:陸上>◇20日◇男子ハンマー投げ予選
鉄人室伏広治(29=ミズノ)が余裕の一発通過を見せた。陸上男子ハンマー投げ予選B組に登場し、1投目に軽々と79メートル55をマークした。記録は全体の4番目だが、最初の1投で78メートルの予選通過ラインを越えたのはライバルのアヌシュ(ハンガリー)と2人だけ。決勝(22日)を見据え、他の選手にプレッシャーをかけた。絶好調の室伏に、悲願の金メダルが見えてきた。
わずか1投で決勝進出を決めた。室伏の投じたハンマーが、灼熱(しゃくねつ)のアテネの空に向かって伸びていく。79メートル55。「決勝につなげるという意味でも、1発で(予選を)通るのは重要。そういうつもりで臨んでましたから」。珍しく最初から狙った。汗もかいていない。パワー全開を示す絶叫もなかった。余力を残しての予選突破だった。
記録は全体の4番目。しかし、大事なのは決勝でいかに戦うかだ。その意味で大きなアドバンテージを得た。1投で予選をクリアしたのはアヌシュと2人だけ。特に室伏の直後に投げた今季世界1位のチホンが2度失敗、同3位のカリャライネンが予選落ちと、プレッシャーをかけることができた。心理戦は始まっている。同時に気温40度の中、体力の消耗も避けることができた。
余裕。この日の室伏にはこの2文字があった。今遠征メンバーは父重信氏、五輪代表の妹由佳、練習拠点の米国で指導を受けるディール氏も帯同。鉄人ファミリーが集結している。「私と2人だけだと考え込んでしまいます。今回はリラックスできてます。今日はほかの選手が、委縮してみえた」と父重信氏。この日もサークル後方からビデオでチェックした。力みのない完ぺきなフォームが映っていた。
過去2度の世界大会で苦い経験をした。4年前のシドニーは雨のサークルに泣き9位。昨年の世界選手権は直前に右ひじを痛めた。前日19日には親友で柔道の井上康生が敗れ、強いだけでは勝てないことも痛感した。
肉体も精神も、これほど完ぺきなのは、今回が初めてと言っていい。「サークルの状態もいい。いい記録が出ると思います」と室伏。いつになく強気な鉄人の目は悲願の金メダルをとらえている。【牧野真治】
[2004/8/21/09:24 紙面から]
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