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日本2敗も高山は使える!/ソフト
<ソフトボール:米国3−0日本(タイブレーク8回)>◇16日◇1次リーグ
また「落球」に泣いた。女子ソフトボール日本代表は、金メダルを争う米国と1次リーグで対戦し、延長8回0−3で敗れた。先発した高山樹里(27=豊田自動織機)が7回まで無安打無得点の好投を演じたが、タイブレークとなった8回1死三塁の場面で三塁手の宇津木麗華(41)がファウルフライを痛恨のミス。その後、リズムを崩して打ち込まれた。左翼手の落球でサヨナラ負けしたシドニー五輪決勝に続く悲劇となった。
延長8回表1死3塁。高山は6番ジュンを打ち取った。打球はふらふらと3塁ベンチ前に上がった。何でもないフライ。だが3塁手の宇津木の様子がおかしかった。太陽をまともにみて行方を見失った。4年前を思い出す痛恨のミス。「やっちゃいました。太陽の位置を確認していませんでした」と宇津木。その後、米国打線につかまった高山を誰も責めることはできない、まさに不運だった。
7回までは快刀乱麻。世界一の強力打線をベテランらしい投球でノーヒットに封じた。2回、要注意のヌーブマンを抑えたシーンは圧巻だった。ファウルでカウントを整え、67キロのチェンジアップを見せ球に最後はインサイドに直球をズドンと決め、見逃し三振に仕留めた。最速は100キロにも満たない99キロ。しかし30キロ以上も差のある緩急で、実際の球速より速く見せる投球術を身につけていた。
米国戦のマウンドは特別だった。4年前のシドニー五輪決勝も左翼手の落球でサヨナラ負け。マウンドに立っていたのはやはり高山だった。「あの悔しさは誰もが忘れていない」という。今大会はエースの座も、過去2大会で務めた五輪開幕投手の座も若い上野由岐子(22)に譲った。だが宇津木監督は3戦目の大事な米国戦の先発は早くから高山と決めていた。経験と心意気を買っていた。
4年間は短くなかった。02年のルール改正には本当に苦しんだ。本塁までの距離が12・19から13・11メートルに伸びた。球を離す位置が狂った高山は日本リーグでも打ち込まれ、引退も考えた。シドニー五輪後には母信子さんを亡くし心身ともどん底。だが、米国に負けたまま競技人生の幕は引けなかった。毎日納得するまで、時には涙を流しながら投げ込んだ日も。低めからストライクゾーンに食い込む新たな武器、ローライズを身につけ、はい上がってきた。
試合後の高山は気丈だった。落球にも「あそこで抑えるのが私の仕事。それより米国も人間。少し背が高くてパワーがあるだけでした」と不敵に笑った。予選で負けたことより、決勝トーナメントに向けた手応えの方が大きい。4年前とこの日の悔しさは次戦でまとめて返してやる。【牧野真治】
[2004/8/17/09:06 紙面から]
写真=延長8回表米国1死三塁、落球する宇津木(撮影・栗山尚久)
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