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北島に金の風が吹いた!/競泳

<競泳>◇15日

 金メダルへ、北島が強風を味方にした。15日の競泳男子100メートル平泳ぎで、日本のエース北島康介(21=日体大)が1分0秒08で優勝。世界記録保持者のブレンダン・ハンセン(23=米国)を退けて、金メダルに輝いた。屋外プールの強風で失速したライバルを尻目に、上体があまり水面に出ない泳ぎで風の影響を受けずに課題の前半をクリア。得意の後半で突き放した。18日は得意の200メートル決勝。世界選手権に続く五輪2冠を獲得して、アテネで最強伝説をつくる。

 唇が小刻みに震えた。真っ赤に充血した目から大粒の涙がこぼれ落ちる。北島が号泣した。「ありがとうございます…。うれしいです。ハー」。しばらくは言葉にならない。クールなイメージの男が、我を忘れたように感情を高ぶらせた。ゴール後に両手を夕空に突き上げ、3度絶叫したことも「覚えていない」。本能の赴くまま「チョー気持ちいい!」と声を上げた。

 絶対勝てる。自らに言い聞かせてスタート台に立った。ひざが震えても頭の中は冷静だった。プールから受ける強い風。これが「追い風」になった。課題は前半50メートル。ここで離されては、後半強い北島でも勝ち目はない。「前半離されずに、後半で勝負する」と平井コーチの話したレースプランを、風が後押しした。

 好スタート。北島はトップを争った。飛び出すはずのハンセンが意外なほど伸びない。50の折り返しはハンセンが28秒22でトップ。北島は28秒26で3位だったが、差は10センチもなかった。前半27秒台で入るハンセンは失速したが、北島はベストに近い泳ぎだった。

 カギは前半の逆風にあった。北島の泳ぎは上体が大きく水面から出ず、風の影響を最小限に抑えられる。対して、ハンセンは上体が立ち気味で風の抵抗をもろに受けた。ストローク数もハンセン20、北島19。風に向かったハンセンがタイムを落とし、風を避けた北島がタイムロスを抑えた。

 手先から足先まで真っすぐ一直線になる「世界一の流線形」は、ターンでも武器になる。一発のキックだけで進むターン直後は、いかに抵抗を減らしてキックの推進力を生かすかが重要だ。浮き上がりで逆に頭1つリード。あとは、前半に体力を消耗した相手を置き去りにするだけだった。

 苦しい1年だった。世界選手権後、プロになった。マネジメント会社とも契約し、多くのテレビCMに出た。高級マンションに移り、愛車はBMWになった。だが、水泳界のためにと思った決断が、いつしかマイナスに作用していた。競技に集中できず、故障、体調不良が追い打ちをかけた。泳ぎのバランスを崩し、6月の欧州GPで敗戦。7月にはハンセンに2種目の世界記録を破られた。だが、これが転機になった。もう1度、挑戦者の気持ちを思い出すことができた。

 「風と天気が味方をしてくれた」。北島は言った。風向きが逆だったら、前半から飛び出したハンセンを捕まえるのは簡単ではなかったはず。工事が間に合ってプールに屋根がつけば、追い風も吹かなかった。信念で努力を重ねた男に、最後に幸運の風が吹いた。

 もう怖いものはない。「200メートルも最高の泳ぎを見せられるように頑張る」。不利と言われた100メートルで優勝。独特の伸びのある泳ぎが生きる200メートルへ自信は深まる。世界選手権に続く2冠を手にすれば、平泳ぎでは史上初の快挙。北島が、アテネで最強伝説を完成させる。【田口潤】

[2004/8/17/08:56 紙面から]



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