過酷0泊4日五輪イタリア戦弾丸ツアー
「どうして、そこまでして」と思う人も多いだろう。たった1試合を応援するために、サポーターは体力の限界に挑戦する。今大会でも企画された「炎の弾丸ツアー」。8月15日の男子サッカー、日本−イタリア戦(ボロス)のために、0泊4日という超強行日程のツアーが実施される。夏休み期間中に開催される今大会は、観戦ツアーも大にぎわい。今からでも遅くない。生の五輪の感動を、アテネまで味わいに行こう。
競技場滞在はわずか2時間。飛行機内に34時間、空港待ちに9時間、バス移動で7時間。8月14日夕に成田空港を出発し、帰国は64時間後の17日早朝。こんなとんでもないツアーが、今大会でも実施される。ホテル宿泊もなく、もちろん観光もない。無謀ともいえる0泊4日。90分間の試合を観戦するだけなのに…。
宿泊をともなわず、試合の応援だけで、すぐに帰国する「炎の弾丸ツアー」は98年W杯フランス大会のアルゼンチン戦、00年シドニー五輪のブラジル戦に続いて今回が3回目。過去2回は0泊3日だったが、今回は移動の関係で4日。ギリシャ−日本間は直行便がなく、イタリア戦を行うボロスの空港はチャーター機専用で定期便はない。最短コースはバンコク経由、ギリシャ第2の都市テッサロニキからバスに揺られるパターンしかなかったのだ。
1人の参加費は成田空港発着で24万8000円。いくら宿泊がないとはいえ、他のアテネ五輪観戦ツアーと比べても破格だ。ツアーを企画したJTB日本橋支店では「正直、もうけはほとんどない。ただ、参加を望むサポーターの方々の声に応えたかったし、当社の意地もあった」と話す。
JTBが98年に「炎の弾丸ツアー」を発案。以後、他社の0泊ツアーに「弾丸」の文字が乱れ飛んだ。00年のシドニー五輪直後に「炎の弾丸ツアー」を商標登録申請し、翌01年に認可された。社内的には0泊4日への懸念もあったが、特許取得以降に初めて訪れたチャンスだけに、ツアー実施は「義務」でもあった。
過去2回の「弾丸」は、ともに0−1の敗戦。いくら好試合でも、負ければ帰りの長旅はつらい。ただ、好カードでなければ、観戦者も集まらない。「相手は欧州王者イタリア。ガーナやパラグアイでは企画成立しない。優勝候補の呼び声は高いですが、弾丸初勝利となればうれしい」と、同店では力を込めている。
これまで関西国際空港からしか発着していなかったが、今回は首都圏のサポーターの要望に応える形で成田空港を起点にした。担当者は「月曜さえ休めば、火曜早朝帰国なので、観戦の興奮を抱えながら、そのまま出社できます」。まだ募集人員には余裕があるというが…。【寺沢卓】
[2004/7/21/12:04 紙面から]
写真=00年9月シドニー五輪で0泊3日の弾丸応援ツアーに参加するファン
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