2004年8月19日付紙面から
それはまさに「挑戦」だった。エメラルドグリーンに輝く物体が円盤に乗ってやって来る。この機会を逃したら、もう2度と出会うことはないかもしれない。思い切ってみた。
メーンプレスセンター(MPC)から徒歩3分。アテネでは珍しい回転寿司が先月オープンした。中をのぞくと客は見当たらない。それだけでも十分に不安だが、久々のしょう油のにおいとギリシャ美人のお姉さんに導かれ、席についてしまった。円盤(小皿)に乗っているものを見てまた驚いた。カラフルな握りだけではない。ぎょうざ、カレー、プリン…。焼き鳥のメニューにビーフとポークの種類があるのはなぜ?
エメラルドグリーンの正体はエビの卵だという。それをしゃりにまぶしてあったのだ。ギリシャ人の大将は「小さいイクラだと思って食べればいい」と言って笑った。値段は5ユーロと高め。だが食感はコリコリとして、まずくはなかった。五輪の地で思う。挑戦することはやはり大切だ。
もう1つ、疑問がわいてきた。他に客がいないけど経営は大丈夫? 大将は「アテネには生モノを食べる習慣がないからね」。笑いごとではないと思うのだが、笑っていた。このネタはどこの海で採れたの? 「サーモンはノルウェーかな。ほかはギリシャ近海だと思うよ」とギリシャ人らしい、すごく適当な返事が返ってきた。
どうやら今大会の日本勢のような快進撃とはいきそうもない。それにしても大丈夫かな。今のところ、腹の調子に異常はないが…。【牧野真治】
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