2004年8月16日付紙面から
アテネに来てとても腹立たしいことがある。こちらに住む日本人女性からこう言って鼻で笑われるのだ。「陰湿な日本人男性に比べて、ギリシャの男性は明るくおおらかで、とてもはっきりしているんです」。連日の猛暑の中、ギリシャ人男性のすばらしさを説かれると、日本男児として屈辱の汗を流さねばならない。
追い打ちをかけるようにそのギリシャの日本人女性は言う。「明るいギリシャ男性が日本人のように痴漢や手鏡のぞき、ストーカーといった陰険な性犯罪を起こすことはありえないのです」。街角でごく普通にエッチな言葉をかけて女性をナンパしちゃうからだという。「犯罪を犯すのはごく一部の日本人だし、エッチな言葉を女性にかけたら日本ではセクハラと言われる」と反論しても、納得してはもらえない。
でも、ちょっと待った。8月初めにこちらに来てから出会った男たち。会社で借りたアパートの合かぎを作った業者の男は、10分間回しても開かない代物を平気で作った。マクドナルドでは太った男に3回横入りされた。午後1時半に取材先で会った男は「これからシエスタ(昼寝)だ。今日はもう無理」。10回続けてタクシーに乗車拒否にされた。ギリシャの犯罪事情を聴いた警察幹部は「日本だって同じだろ」といきなりキレた。明るくおおらかないい男たちは、平気でこんなことをする。
今、あらためて日本人の勤勉性、技術力、ち密さ、向上心、いい意味のファジーさ、礼儀正しさを誇らしく思っている。【広部玄】
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