日本はつまらないミスから自滅した。ふだんでは考えられないようなミスの連発だった。最終ラインでの致命的なミスは失点につながるのを身をもって感じたことだろう。手痛い授業料だった。立ち上がりのミスからの失点が、その後の90分間、日本から冷静さを奪ってしまったのが残念だ。ミスはサッカーにつきものだが、ゲームの中でどのように修正していくのかが問われる。だが、修正ができなかった。同じようなミスが続発して、自らの首を絞めてしまった。
山本監督も焦っていた。最後の試合であるかのように、余裕がなく、ロングボール主体でゴールを急ぎすぎた。指揮官の焦りが選手にも伝わったような感じを受けた。もう少し余裕あれば、同点、逆転のゴールも決まっていたに違いない。
ただし、まだリーグ戦の初戦が終わっただけだ。次のイタリア戦に勝てばいい。まず、守りを立て直して、冷静に攻めることができれば勝つチャンスは十分にある。ガーナと引き分けたイタリアも勝たなければならないわけで、これまでのように、しっかり守れれば、逆襲からゴールを奪えるはずだ。次のイタリア戦こそ今後の命運を握る戦いになる。(日刊スポーツ評論家)