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広部玄のイケイケ
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2004年08月31日付紙面から

ギリシャ警察との「攻防」1カ月…怒声、極秘情報、最後は催涙弾

 ギリシャでの取材は、対応がちぐはぐな警察との「攻防」に苦労した。広場、駅、会場などには無数の警官が不審者警戒にあたる。無茶な拘束や逆ギレをしてくる警察官がいると思えば、極秘情報を教えてくれる「もてなし系」幹部までいた。約1カ月、駆け引きを続けたが結局、最後の最後でついに催涙銃の「直接攻撃」を受ける事態に直面した。

写真  閉会式2日前の27日午後9時20分。ガスマスクをした機動隊約100人がアテネ中心部、国会議事堂前の道路をふさぐように布陣した時「まずい」と思った。

 パウエル米国務長官(67)来訪に反対するデモ隊数千人と、機動隊が向き合った場面を取材しているときだ。約1カ月にわたる街取材で、ついに衝突の場面に出くわした。

 「ジュボッ、ジュボッ」。機動隊が腰に据えた銃から、催涙ガス弾を次々デモ隊に向けて発射してきた。すぐそばで霧が拡散し、見事“被弾”。数秒後、目に激痛が走った。涙がとめどなく流れ、顔の皮膚とのどの奥が猛烈に痛み出し、呼吸ができず「オエーッ」とうめいた。うずくまった。目は開かないし、完全に戦意喪失。だが動きを止めるとガスが次々降り注いでくるので、やみくもに、デモ隊とともに、気流と逆方向に全力で逃げた。痛みは約20分続いた。

 約7万人の警備担当者を配備した「厳戒五輪」だけあって、この1カ月はさまざまなタイプの警察との「駆け引き」が大きなポイントだった。日本人を狙ったニセ警官事件について警察署に取材に行った時、広報担当幹部は「ニセ警官なんてアテネには絶対存在しない。ギリシャ人はそんなことをすることは、ありえない。あんたの国の話だろ!」とド迫力で怒鳴った。

 だが、通常を見ていると各署の責任者は昼すぎとっとと帰ってしまうのは当たり前。ニセ警官が出没しているというのに、広場にいた警察官リーダーは「身分証? 今日持ってない。これがぼくの身分証さ」といって拳銃を見せびらかした。

 妙に親切な幹部もいた。繁華街を所轄する某署の刑事・警備課長は各種薬物摘発例、取引の詳細な方法、摘発のテクニックまで解説してくれた。各国の中国マフィア抗争や資金浄化の実態まで、約1時間ほど興奮しながら講義してくれた。

 競技が終わった会場周辺の警備は途端にほとんどなくなった。この1カ月、警察官との取材だけでも、ずいぶんとギリシャを感じた。ギリシャ人は、目標があると、直前になって一気に盛り上がる。そしてアテネも、もとの街に戻っていく。おせっかいながら祭りの後がちょっと心配だ。

(おわり)

写真=アテネで27日夜、デモ隊を警戒する警察官ら



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