ぼったくり、客ば倒“無法タクシー”のボス直撃も…
ぼったくり料金や乗車拒否などで、世界的にも悪名高かったギリシャのタクシーの多くが五輪期間中、厳しい取り締まりで一見「優等生」化している。でも正規料金の6倍を請求したり、客をば倒するなど、とんでもない「無法タクシー」がいまだ存在することが判明。泣き寝入りしている多くの五輪観光客の声を代弁し、ギリシャ・タクシー業界のドンを直撃。極悪ぶりを徹底追及した!
8月初旬にアテネ入りして以来、60回以上タクシーを使った。遭遇した「極悪タクシー」事例を2つ。
◆超ぼったくり 20日夕、アテネ中心部シンタグマ広場からマルーシの取材拠点まで乗った。通常5ユーロ(約675円)前後だが、6倍以上の31ユーロ(約4200円)を請求された。30歳くらいの運転手は車内で「日本人、友達ね」「富士山イズ、ビューティフル!」と、延々日本を褒めてきた。巧みな話術に、いんちきメーターの数字がすさまじい速さで増えていくのに気づかなかった。10分間猛烈にごねたが「ノーマルな値段だ。でも、23ユーロにまけてやってもいい」。それでも4倍以上。日本をやたら褒めてくるのは、以前取材したぼったくりバー客引きと同じパターンだ。
◆無法運転手 15日昼、タクシーでアテネ郊外の山火事現場の撮影に行った。「1分で戻る」と言って降りようとすると、中年運転手が突如プッツン。「絶対だめだ! あと10ユーロよこせ」。それでも車を降り、撮影後タクシーに戻ると、運転手は逃げてしまった。郊外の山中に取り残され、ぼう然。しばらくすると、そのタクシーが戻ってきたので乗ろうと思ったら、寸前に急発進。嫌がらせだ。さらにもう1度急接近し「くたばれ!」というポーズを腕で示し、すさまじい罵声(ばせい)を浴びせて去ってしまった。
ギリシャではもともと、法外な料金請求や相乗り(非合法)、乗車拒否などタクシートラブルが絶えなかった。昨年末、政府がメーターとレシート印刷機の設置を義務付けたことから、五輪期間中、悪徳ドライバーは減ったとみられていた。でも、極悪運転手はまだまだ潜んでいる。
そこで、ギリシャタクシー業界のドン「個人タクシー協会」のマリノス・バンドゥラキス会長(75)を協会本部でアポなしキャッチ。苦情をまとめてぶつけてみたが…。
−ぼったくりに遭ったが
会長 「どういう業界にだって悪い人はいる」。
−相乗りも横行している
会長 「違法だが、この国の伝統だ。タクシー料金が安すぎるから、仕方ない」。
−乗車拒否もひどすぎる
会長 「運転手が休もうとしている時だったからだ」。
−いんちきメーターを取り締まれないか
会長 「運転手自身のモラルの問題だね」。
結局、具体的解決指針は示されず。さらに取材中、来客の男性と突然、机をたたいて怒鳴り合いの大げんかを始めたため、インタビューどころではなくなった。
写真=アテネには五輪期間中も「悪徳タクシー」が潜んでいた(シンタグマ広場)
◆ギリシャタクシー事情情
アテネ周辺には約1万4000台のタクシーがあり、黄色い車体が目印。料金は0・75ユーロ(約100円)からスタート。このほか五輪会場や空港まで利用した際などは、3ユーロ程度加算される。協会によると、運転手になるには1台約12万ユーロ(約1620万円)の認可料を政府に払い、オーナーになる必要がある。協会には現在、約2万人のオーナーがいるが、知人らに権利をまた貸ししているケースが多い。
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