しゃく熱砂漠のメーン会場
「アテネ五輪総合競技場」にチケットを買って入ってみた。観客になってみると、強い日差しからの「避難場所」の日陰がほとんどないことに気付く。40度近い炎天下の中、ほとんどなく熱射病寸前。土ぼこりは舞い上がるわ、飲食施設も少ないわで、ギブアップしそうだった。怪しいダフ屋も出没していた。
まずチケット売り場で待たされた。前に2人しかいないのに、窓口担当者が客と話し込み、約20分待った。この日一番安かった体操のチケットを35ユーロ(約4700円)で購入。メーン会場の「アテネ五輪総合会場」の中へ入ってみた。
気温は午後3時で36度。中に入ると、とにかく「暑い」の一言だ。歩いていて日陰がほとんどないことに気付いた。致命的だ。五輪スタジアム、競泳会場などがある約200万平方メートルの敷地をゆっくり見て回ろうと思ったが、10分歩いただけで、猛烈な日差しで頭がくらくらしてきた。
「このまま歩いているとまずい」。時折植えられている木は、葉がほとんどなく、日光は素通り。土がむき出しの場所も多く、風が吹くと土ぼこりがひどい。「しゃく熱砂漠」だ。水を飲んで脱水状態を防ごうと思ったが、テロ対策の影響か、自動販売機もなし。
やっと敷地内中央部にドリンクの売店を見つけたが、これがまた、購入用チケット売り場は長蛇の列で、ミネラルウォーター1本買うまで15分かかる。
熱射病で倒れた人もいるのではないか? 警備員に「救護所はあるか」と聞いたら「医者はいるが、どこにいるか知らん」。アテネ在住のギリシャ人男性、フィスツーリスさん(38)は「ギリシャ人だから、文句は言いたくない。でも緑が少ない! 本来、木をたくさん植えて木陰を作る予定だったんだ。でも結局工事が間に合わなかったんだよ」。
最寄りのイリーニ駅構内には怪しい目付きの男らがいた。うち1人、タンクトップを着た20代前半ぐらいの男が近寄ってきた。「スイミング(水泳)のチケットあるよ」。ダフ屋登場だ。100ユーロ(約1万3500円)の席を倍の200ユーロで売り付けてきた。 周囲には上半身裸の男や監視役の中年男ら10人近いダフ屋がおり、グループのようだ。「僕らは10人ぐらいのグループ。ところで買うの? 買わないの?」。みな自称ギリシャ人を名乗るが、ギリシャ語は片言。観戦するのも、なかなかタフな五輪だ。
写真=総合会場ではわずかにある水飲み器に人が群がっていた
◆会場メモ
アテネ五輪総合会場はアテネ市内マルーシ地区にあり、約5万5000人を収容できる五輪スタジアムなどがある。開・閉会式、陸上、競泳、体操、自転車など多くの競技が行われる。スペインの著名建築家カラトラバ氏がデザインしたアーチ状の屋根が有名だが、この設置工事が難航。突貫工事でなんとか完成した。だが競泳会場は覆い部分の建設が見送られ、結局屋外のまま、炎天下で競技を行うことになるなどずさんな点が目立った。
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