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長嶋さん脳梗塞、一茂氏「五輪より健康」

神妙な表情で父長嶋茂雄監督の病状を語る一茂氏。右は東京女子医大の内山神経内科教授(撮影・宇治久裕)

 もう無理はしないで−。都内の東京女子医大病院に前日入院した日本代表の長嶋茂雄監督(68)について、長男一茂氏(38)は5日、担当医らとともに会見。脳梗塞(こうそく)と診断され、生命の危険はないが、右半身に軽いマヒがある病状を明らかにした。一茂氏は、父の様子について、もうろうとした意識の中で「(体の)右の部分が、どうしちゃったのかな」などと話していることを明かした。また現場復帰については「無理してほしくない」と、息子としての心情を素直に語った。

 緊急入院から一夜明け、一茂氏は硬い表情で病室の長嶋監督の様子を説明した。一睡もせずに付き添った一茂氏に「右の部分がどうなっちゃたんだろうね」と、問いかけたという。自分が病院のベッドにいるのが理解できないように「何でこういうことになったのか」とつぶやくのだという。

 そして、何度か時間を気にした。病に倒れても、5カ月後のアテネ五輪に向けた多忙な日程が気になるのか。何より、野球人として利き腕の右腕の異変に戸惑っているのか…。一茂氏は「『倒れたんだよ。でも、今大丈夫』という話をしている。話はちゃんと聞けます」と、安心するように話しかけていることを明かした。

 だれより、一茂氏が長嶋監督が倒れたことがショックだった。「自分も多少、興奮状態というかパニックにもなっているんですけども」。突然の発病だった。前日朝、亜希子夫人(61)は外出中で、異変に気づいたのは、現役時代から担当する運転手の伊藤氏だった。珍しく起床時間をすぎてもベッドを離れない長嶋監督に、2時間後の午前11時ごろ声をかけたところ、手足のしびれや頭痛を訴えたという。伊藤氏に背負われ自家用車で自宅近くの病院に搬送。しかし、その症状から、系列の東京女子医大病院に転送された。

 外出先から駆けつけた一茂氏は、同病院で数人のスタッフが長嶋監督を迎えたときの様子をこう振り返る。「ストレッチャーに乗せるときには、すでに意識はもうろうとしていました。体も自由がきかないような状態でしたので、ストレッチャーに乗せるのに苦労した状況でした」。伊藤氏の連絡で先回りしていた一茂氏だったが、その様子にすぐには声がかけられなかった。落ち着いてからは、逆に、父自身が初めて経験する事態にパニックにならないよう「安心だよ」「大丈夫だよ」と声を掛け続けているという。

 一茂氏はアテネ五輪が長嶋監督にとって、最後の戦いになると信じ、昨年11月の予選前から時には自らカメラを回し取材を行っている。だれより悔いは残させたくない。しかし、今後の現場復帰について質問が及ぶと、一呼吸置いて語った。「僕自身の個人的な言葉で言うと無理して欲しくないな、と。プロ野球ファン、国民が一番期待していることだし、父もそれに向かっていろんな準備もしてきているだろうし、もし出ないとなると父にとっては無念なことだと思いますけど、私は無理して欲しくないなと思います」。倒れた原因には「医学的なことはわかりませんが、オヤジも68ですし、今年はアテネ五輪でプレッシャーも去年の予選からもちろん感じて、今年も春のキャンプを回ってストレスも多かったと、僕なりには思います」と話した。ミスタープロ野球である前に「わが父・長嶋茂雄」への思いを繰り返した。

写真=神妙な表情で父長嶋茂雄監督の病状を語る一茂氏。右は東京女子医大の内山神経内科教授(撮影・宇治久裕)

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