エルゲルージ異色の2冠達成/陸上
<陸上>◇28日◇男子5000メートル決勝
ヒシャム・エルゲルージ(モロッコ)が13分14秒39で制し、24年パリ大会のパーボ・ヌルミ(フィンランド)以来、史上2人目となる1500メートル、5000メートルの2冠を達成した。
3、4番手から最後の直線で一歩一歩、力を絞り出すようにスパートした。残り約50メートルで1万メートル王者のベケレをかわし、ゴールに飛び込んだ。「この金メダルを成し遂げて、最高に幸せだ。2つの金メダルが目標だった。つらいときもあきらめずに自分を信じてやってきた」と笑顔を見せた。
中距離と長距離。スピードの質が違う2種目制覇にこだわる理由がある。84年ロサンゼルス五輪で5000メートルを制した母国の英雄、アウィータが子どものころのあこがれだった。1500メートルと5000メートルで世界を席巻し、モロッコに勇気を与えた存在だった。
エルゲルージは「この歴史的な勝利をモロッコの人々に、アラブ世界に、イスラム世界にささげたい」と言った。伝説のヌルミに並び、あこがれのアウィータを超えた。
[2004/8/29/11:46]
写真=男子5000メートル決勝、優勝したモロッコのヒシャム・エルゲルージ(共同)
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