両親はその瞬間見逃す「あー、すごい子」
女子マラソンで金メダルを獲得した野口みずき(26)の両親は、沿道で応援したためゴールには間に合わなかった。その瞬間を見逃したことを惜しみながら、娘の快挙を喜んだ。
「すごい子ですね。まさかこんなふうになるとは思わなかった」。母春子さん(53)は涙を流した。
沿道から声援を送った後、急いで地下鉄で移動。駅からスタジアムへ走る途中で気分が悪くなり、酸素吸入を受けた。「見てあげたかった。走ったんですけど」と残念そう。
父稔さん(51)と兄尚徳さん(31)も間に合わなかった。稔さんは移動中に「金」と聞かされると、「あー」と頭を下げて、大きく息を吐いた。
「まさかと思った。金メダルを取るなんて全然考えていなかった。五輪発祥の地でこんな走りができるなんて。娘にはおめでとうと言いたい」。笑顔で祝福した。
[2004/8/23/13:18]
写真=女子マラソンで金メダルを獲得し、日の丸を掲げて声援に応える野口みずき(共同)
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